「肌のハリがなくなった気がする」「歯みがきのとき、歯ぐきから血が出る」「ぶつけた覚えのないあざができる」——そんな方へ。ビタミンCは、肌や血管、歯ぐきをつくるコラーゲンの材料になり、抗酸化や免疫の働きも支えている、水溶性のビタミンです。この記事では、ビタミンCの役割、足りないときに出やすいサイン、不足しやすい背景、食品ごとの量と調理のコツ、食事とサプリメントの考え方を、分子栄養学の視点でまとめました。栄養素シリーズの第7回です(第1回は「隠れ鉄不足」とフェリチンの話、第2回はマグネシウムの話、第3回は亜鉛の話、第4回はカルシウムの話、第5回はビタミンAの話、第6回はビタミンB群の話)。
ビタミンCとは
水に溶ける性質(水溶性)のビタミンです。肌や血管、歯ぐき、骨などをつくる材料になるコラーゲンの合成に欠かせず、体の中で酸化を防ぐ働き(抗酸化)や、免疫の働きにも関わっています。体の中でつくることはできないため、食事やサプリメントから取り入れます。
肌や歯ぐきの変化を、「年齢のせい」で片づけていませんか
「肌のハリがなくなってきた」「歯みがきのときに血が出る」「あざができやすい」。こうした変化が重なると、「年齢のせいかな」「疲れがたまっているのかな」と、そのままにしてしまいがちです。
ビタミンCの難しいところは、体に溜めておくことができない点です。肌や血管、歯ぐきをつくり続けるためには、日々の食事から継続して届ける必要があります。まずは、食卓を振り返るところから始めてみてください。
こんなことはありませんか
- 肌のハリがない、乾燥しやすい
- 歯ぐきから血が出やすい
- ぶつけた覚えがないのに、あざができる
- しっかり寝ても、疲れが抜けない
- 風邪をひきやすく、治るまでに時間がかかる
- 野菜や果物を食べる機会が少ない
ビタミンCは、体の中で何をしているのか
ビタミンCは、体をつくる材料としての働きと、体を守る働きの、両方を担っています。代表的な働きを6つ挙げます。
コラーゲンをつくる
肌、血管、歯ぐき、骨などをつくるコラーゲンは、体のたんぱく質の約3分の1を占めています。このコラーゲンは、ビタミンCがなければ合成できません。肌のハリのなさや、歯ぐきからの出血、あざのできやすさは、コラーゲンをつくる働きと関係しています。
抗酸化として働く
体の中で発生する酸化を防ぐ働き(抗酸化)を持つ代表的な栄養素のひとつです。ビタミンAとともに、体を守る働きに関わります。
鉄の吸収を助ける
食品に含まれる非ヘム鉄の吸収を助ける働きがあります。鉄の記事とあわせてご覧ください。
免疫を支える
ビタミンCは免疫の働きに関わり、亜鉛とともに、風邪をひきやすい・治りにくいと感じるときに見直したい栄養素のひとつです。細菌などと戦う白血球(好中球)は、血液の50〜100倍もの濃さでビタミンCをため込み、その働きに使っています。
ストレスに立ち向かう
ストレスを受けると、副腎という臓器から、ストレスに対抗するホルモンが出されます。ビタミンCは、このホルモンづくりを支えています。
心の働きに関わる物質をつくる
意欲や集中に関わる神経伝達物質、ノルアドレナリンをつくるときにも、ビタミンCが使われます。こころの不調と栄養の関係もあわせてご覧ください。
ビタミンCが足りないときに出やすいサイン
不足したときの現れ方は人によって違い、複数が重なって出ることもあります。心当たりのあるものが複数あれば、食事にビタミンCを取り入れてみる、ひとつのきっかけになります。
肌のハリのなさ・乾燥 Skin
肌のハリがない、乾燥しやすい。
歯ぐきからの出血 Gums
歯みがきのときに、歯ぐきから血が出やすい。
あざができやすい Bruising
ぶつけた覚えがないのに、あざができていることがある。
傷の治りにくさ Healing
小さな傷や、肌のトラブルが治りにくい。
ビタミンCが不足しやすい背景
ビタミンCは、「食事から入る量が少ない」「調理で失われやすい」「体に溜まりにくい」という、いくつかの方向から不足しやすい栄養素です。
食事から入る量が少ない Intake
野菜や果物が少ないと、ビタミンCが届きにくくなります。
加熱調理で失われやすい Cooking
水に溶けやすく熱にも弱いため、茹でる調理が多いと、失われる量が増えます。
体に溜まりにくい Water-soluble
水に溶ける性質のため、余った分は尿と一緒に出ていきやすく、こまめに補う必要があります。
ストレスや喫煙で消費が増える Stress
ストレスが続くと消費が進みやすいといわれます。喫煙の習慣がある方も、消費が多いといわれます。
紫外線・年齢 UV
皮膚にはビタミンCが多くたくわえられていますが、紫外線を浴びることや、年齢とともに減っていきます。
体調を崩したとき Infection
風邪などで体が細菌やウイルスと戦うときは、白血球がビタミンCを多く使うため、消費が増えます。
ここがポイント
ビタミンCは、食事で「摂る量」だけでなく、「調理でどれだけ残っているか」「体に溜まりにくく、こまめに必要」という性質まで含めて見ることが大切です。1回にまとめて摂るより、日々の食事で継続して取り入れる考え方が向いています。
食事で取り入れるコツ
ビタミンCは、色の濃い野菜や果物に多く含まれています。生のまま食べられる食品と、ビタミンCが残りやすい調理法を知っておくと、無理なく取り入れやすくなります。
主な食品に含まれるビタミンCの量をまとめました。左の数値は可食部100gあたり、右はふだん食べる量に換算した目安です(数値は、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より)。
| 食品 | 100gあたり | 食べる量の目安 |
|---|---|---|
| 赤パプリカ | 170mg | 1/2個(70g)で約120mg |
| 黄パプリカ | 150mg | 1/2個(70g)で約105mg |
| ブロッコリー(生) | 140mg | 小房3つ(50g)で約70mg |
| ブロッコリー(油いため) | 130mg | 小房3つ(50g)で約65mg |
| ブロッコリー(ゆで) | 55mg | 小房3つ(50g)で約28mg |
| キウイフルーツ(緑) | 71mg | 1個(80g)で約57mg |
| いちご | 62mg | 5粒(75g)で約47mg |
同じブロッコリーでも、ゆでると100gあたり140mgが55mgまで減りますが、油でいためると130mgと、ほとんど残ります。調理のしかたで、とれる量が大きく変わります。
| 食品 | 特徴 |
|---|---|
| 赤パプリカ・黄パプリカ | 野菜の中でも、ビタミンCが特に多いといわれます |
| ブロッコリー | 蒸し物や炒め物など、水にさらさない調理と相性がよい野菜です |
| キウイフルーツ・いちご | 生のまま手軽に摂れる果物です |
茹でる調理では、水に溶け出す分だけビタミンCが失われやすくなります。蒸す・炒め物にする、汁ごと食べられる料理にするなどの工夫で、取り込みやすくなります。食事だけで十分な量を毎日続けるのは、意外と手間がかかります。食事を土台にしながら、届きにくい分はサプリメントで補うこともできます。選ぶときのポイントを「ビタミンCのサプリメントの選び方」にまとめました。
おさらい
食事のポイントは、パプリカ・ブロッコリー・キウイフルーツやいちごを、調理法を工夫しながら少しずつ取り入れていくこと。届きにくい分は、サプリメントで補うこともできます。体質や食事量による個人差が大きいため、「これだけ食べれば大丈夫」という食品はありません。
ビタミンCのサプリメントの選び方
食事だけでは届きにくいとき、サプリメントは心強い選択肢です。ただしビタミンCは、「どれくらいの量を、どう続けるか」「ほかの栄養素とどう組み合わせるか」によって、体への届き方が変わります。
量と続け方は、体の状態に合わせる
ビタミンCは水に溶ける性質のため、一度に多く摂っても、体で使われなかった分は尿と一緒に出ていきやすいといわれます。一度に多く摂るより、食後に分けて、こまめに取り入れる方法があります。1回に180mgほどなら80〜90%が吸収されますが、1,000〜5,000mgにすると吸収される割合は21%ほどまで下がるといわれます(吸収される量そのものは増えます)。必要な量は、食事内容や体の状態によって人それぞれです。
ビタミンCとあわせて意識したい栄養素
ビタミンCは、単独で働くのではなく、ほかの栄養素と関わり合いながら働きます。組み合わせを意識することで、より無理なく続けやすくなります。
| 栄養素 | ビタミンCとの関係 |
|---|---|
| 鉄 | 非ヘム鉄の吸収を助ける |
| たんぱく質 | コラーゲンをつくる、もうひとつの材料になる |
| ビタミンE | 同じ抗酸化の働きで協力し、使われて働けなくなったビタミンEを、再び働ける状態に戻す |
このように、ビタミンCは「どれくらいの量を、何と組み合わせるか」で、体への届き方が変わる栄養素です。そのため、自己判断で選ぶより、今の食事や体の状態を確認したうえで決めることをおすすめします。
サプリメントに迷ったら
健康相談NOZOMIでは、品質と安全性に配慮したサプリメントを取り扱っています。「ビタミンCが足りていないかも」と感じたときは、今の食事や体調をお聞かせください。その方に合った種類や量、組み合わせまで、ご提案します。
よくある質問
ビタミンCが多い食品は何ですか?
赤パプリカ・黄パプリカ、ブロッコリー、キウイフルーツ、いちごなどです。野菜や果物によって量が違うため、いろいろな食品を組み合わせることをおすすめします。
加熱すると減ってしまいますか?
水に溶けやすく熱にも弱いため、茹でる調理では失われやすくなります。蒸す・炒めるなど、水にさらさない調理法のほうが残りやすくなります。たとえばブロッコリーは、ゆでると100gあたり140mgが55mgまで減りますが、油でいためると130mgと、ほとんど残ります。
ビタミンCは、食事だけで足りますか?
野菜や果物を意識すると、摂取量を増やすことはできます。ただ、水に溶けやすく体に溜まりにくいため、毎日の食事で継続して届けるには手間がかかります。食事を土台にしながら、足りない分をサプリメントで補うこともできます。必要な量は人によって違うため、状態を確認したうえで選ぶことをおすすめします。
サプリメントは、いつ飲むのがいいですか?
水に溶ける性質のため、一度に多く摂るより、食後に分けて、こまめに取り入れる方法があります。飲むタイミングや量は、体の状態によって変わります。
まとめ|肌と歯ぐきのサインから、ビタミンCを見直す
この記事のポイント
- ビタミンCは、コラーゲンの材料になり、抗酸化や免疫の働きも支える、水溶性のビタミンです。
- 肌のハリのなさ、歯ぐきの出血、あざのできやすさなどのサインが重なるときは、食事の内容を見直すきっかけになります。
- 調理法によって残る量が変わり、体に溜まりにくいため、日々の食事で継続して取り入れることが大切です。
- 食事を土台に、届きにくい分はサプリメントで補うこともできます。量や組み合わせは、体の状態に合わせて選びます。
肌や歯ぐきの変化を「よくあること」で片づけず、まずは食卓を見直すところから始めてみてください。
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