脂質の文字
栄養素シリーズ ⑬ 脂質 | Column

選ぶ油で変わる
脂質(油)の話

健康相談NOZOMI 代表 山本淳

健康相談NOZOMI 代表 山本 淳

分子栄養学カウンセラー/バイタルファスティングマイスター

NPO法人オーソモレキュラー分子栄養医学協会の認定講師。自身も原因のわからない不調に悩んだ経験を持ち、お子さまから大人まで、健康や栄養に関わる相談に寄り添っています。

「油はなるべく控えめに」。健康のために、そう心がけている方は多いかもしれません。でも脂質は、体をつくる細胞の一つひとつを包む膜や、ホルモンの材料になる栄養素です。分子栄養学では、量とあわせて「どんな種類の油をとっているか」を大切にしています。同じ大さじ1杯の油でも、種類によって体の中での働きは大きく違います。この記事では、脂質の種類と体の中での働き、コレステロールとLDL・HDL、オメガ3とオメガ6のバランス、良い油と悪い油、ココナッツオイルとMCTオイル、酸化した油とトランス脂肪酸、脂質が足りないとき・とりすぎたとき、EPA・DHAを多く含む魚、毎日のとり方とサプリメントの考え方を、分子栄養学の視点でまとめました。栄養素シリーズの第13回です(第1回は「隠れ鉄不足」とフェリチンの話、第2回はマグネシウムの話、第3回は亜鉛の話、第4回はカルシウムの話、第5回はビタミンAの話、第6回はビタミンB群の話、第7回はビタミンCの話、第8回はビタミンDの話、第9回はビタミンEの話、第10回はビタミンKの話、第11回はたんぱく質の話、第12回は糖質と血糖値の波の話)。

脂質とは

糖質・たんぱく質と並ぶ三大栄養素の1つで、水に溶けにくい性質をもつ栄養素です。肉や魚の脂、植物の油、卵黄などに含まれます。1gあたり約9kcalのエネルギー源になるほか、細胞膜やホルモンの材料になり、脂溶性ビタミンの吸収も助けます。脂質の性質は、主な成分である「脂肪酸」の種類によって大きく変わります。

「油を控える」だけでは見えてこないこと

揚げ物を減らす、ドレッシングはノンオイルにする、肉は脂身を外す。脂質は「とりすぎに注意」と言われることの多い栄養素です。

ところが、油を減らしているつもりでも、外食やお惣菜、加工食品からは、知らないうちに同じ種類の油ばかりとっていることがあります。反対に、体に欠かせないのに不足しやすい種類の油は、意識しないとほとんど口に入りません。

こんなことはありませんか

  • 家で使う油は、サラダ油が中心
  • 魚を食べるのは、週に1〜2回くらい
  • 揚げ物やお惣菜、スナック菓子をよく食べる
  • 「油は太る」と思って、なるべく避けている
  • 亜麻仁油やえごま油を使ったことがない
  • 開封してから時間のたった油を使っている

脂質の種類と、脂肪酸の分け方

脂質は、つくりの違いから「単純脂質」「複合脂質」「誘導脂質」の3つのグループに分けられます(表では、それぞれの脂質の名前の下にグループを書いています)。

脂質特徴食べ物から?
体でつくる?
中性脂肪
単純脂質
食べ物の油の大部分を占める。エネルギー源になり、使われなかった分は体脂肪としてたくわえられる両方
ロウ
単純脂質
植物の葉や果物の表面などにある。人の皮脂にも含まれる両方(食べ物のロウはほとんど吸収されない)
リン脂質
複合脂質
細胞膜の主な材料。卵黄や大豆に多いレシチンもこの仲間両方
糖脂質
複合脂質
糖がついた脂質。脳や神経の細胞膜に多い両方
リポたんぱく質
複合脂質
脂質とたんぱく質が集まった粒。血液の中で脂質を運ぶ(カイロミクロン・VLDL・IDL・LDL・HDLの5種類)体でつくる(小腸・肝臓)
脂肪酸
誘導脂質
中性脂肪やリン脂質などの成分。油の性質を決める両方(オメガ3・6は食べ物からのみ)
コレステロール
誘導脂質
細胞膜やホルモン、胆汁酸、ビタミンDの材料両方(多くは体の中、主に肝臓でつくられる)

このうち脂肪酸は、中性脂肪、リン脂質、糖脂質、ロウの成分になっています。コレステロールそのものは脂肪酸を含みませんが、体の中では脂肪酸と結びついた形(コレステロールエステル)でも存在します。油の性質や体の中での働きを決めているのは、この脂肪酸の種類です。脂肪酸は、形の違いから大きく4つに分けられます。

種類主な脂肪酸多く含む食品
飽和脂肪酸パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸など肉の脂身、バター、ラード、ココナッツオイル
一価不飽和脂肪酸
(オメガ9)
オレイン酸オリーブオイル、なたね油、肉の脂
多価不飽和脂肪酸
(オメガ6)
リノール酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸サラダ油、大豆油、コーン油、ごま油、肉、卵
多価不飽和脂肪酸
(オメガ3)
α-リノレン酸、EPA、DHA亜麻仁油、えごま油、青魚

飽和脂肪酸は常温で固まりやすく、不飽和脂肪酸は固まりにくい性質があります。肉の脂やバターが冷えると白く固まり、オリーブオイルや魚の脂がさらっとしているのはこのためです。

このうちオメガ6とオメガ3は、体の中でつくることができないため、食事からとる必要がある「必須脂肪酸」です。一方、飽和脂肪酸とオメガ9は、体の中でつくることができます。食事でとった糖質やたんぱく質が余ると、主に肝臓で飽和脂肪酸(パルミチン酸)につくり変えられ、さらにその一部がオメガ9のオレイン酸に変えられます。

オメガ6とオメガ3は、体の中でこう変わる

オメガ6のリノール酸は、体の中でγ-リノレン酸を経てアラキドン酸に、オメガ3のα-リノレン酸は、EPAを経てDHAに変わっていきます。

どちらも体の中でつくれないため、体にどれくらいあるかは、食べた油の種類に大きく左右されます。なお、名前の似ている「α-リノレン酸」はオメガ3、「γ-リノレン酸」はオメガ6で、別の脂肪酸です。

オメガ6・オメガ3の変わり方と、オメガ9のでき方

オメガ6(食べ物からとる)リノール酸→γ-リノレン酸→アラキドン酸
オメガ3(食べ物からとる)α-リノレン酸→EPA→DHA
オメガ9(体の中でもつくれる)糖質・たんぱく質→飽和脂肪酸→オレイン酸

脂質は、体の中で何をしているのか

エネルギー源になる

脂質は1gあたり約9kcalと、糖質やたんぱく質(1gあたり約4kcal)の2倍以上のエネルギーを生み出します。体温を保ち、体を動かす力のもとです。使われなかった分は中性脂肪として体にたくわえられ、食事と食事の間や、眠っている間のエネルギーにも使われます。脂肪からはケトン体もつくられ、脳のエネルギーにもなります。ケトン体については、糖質と血糖値の波の話でも触れています。

細胞膜の材料になる

細胞を包む膜は、リン脂質がすき間なく並んでできています。膜にどの脂肪酸が組み込まれるかによって、膜の柔らかさや、栄養の出入り、情報の受け取りやすさが変わると考えられています。脳は水分を除いた重さの半分以上が脂質で、神経細胞の膜にはDHAが多く含まれています。

ホルモンや胆汁酸の材料になる

コレステロールは、性ホルモンや副腎皮質ホルモン、ビタミンD、脂質の消化を助ける胆汁酸の材料になります。「コレステロール=悪者」と思われがちですが、体にとって欠かせない材料です。その多くは、体の中、主に肝臓でつくられています。

脂溶性ビタミンの吸収を助ける

ビタミンA・D・E・Kは、油に溶ける性質をもつ脂溶性ビタミンです。食事の脂質と一緒になることで、腸から吸収されやすくなります。油を極端に控えた食事では、これらのビタミンも取り込まれにくくなります。

炎症を起こす物質・しずめる物質の材料になる

細胞膜の脂肪酸は、必要に応じて切り出され、「エイコサノイド」と呼ばれる物質に変わります。オメガ6のアラキドン酸からは主に炎症を起こす方向の物質が、オメガ3のEPAからは炎症をしずめる方向の物質がつくられます。炎症そのものは、体を守るために必要な反応です。大切なのは、起こす力としずめる力のバランスです。

コレステロールの運び役、LDLとHDL

コレステロールや中性脂肪は油に溶ける性質なので、そのままでは水が中心の血液に溶けません。そこで、たんぱく質と一緒に小さな粒をつくり、血液にのって運ばれます。この粒を「リポたんぱく質」といいます。健康診断でおなじみのLDLやHDLも、このリポたんぱく質の種類です。

リポたんぱく質主な役割
カイロミクロン食事でとった脂質を、小腸から全身へ運ぶ
VLDL肝臓でつくった中性脂肪を、全身へ運ぶ
IDLVLDLが中性脂肪を渡したあと、LDLに変わる途中の粒
LDL
(いわゆる悪玉)
コレステロールを、肝臓から全身の細胞へ届ける
HDL
(いわゆる善玉)
体の中で余ったコレステロールを回収して、肝臓へ戻す

リポたんぱく質の流れ(イメージ)

小腸

食事の脂質を
カイロミクロンにのせる

→

全身へ

中性脂肪を配る

肝臓

VLDLをつくって
中性脂肪を送り出す

→

VLDL → IDL → LDL

中性脂肪を配りながら
小さくなり、LDLになる

→

全身の細胞

LDLがコレステロールを
届ける

全身の細胞・血管の壁

余ったコレステロール

→

HDL

回収して肝臓へ戻す

LDLは、低ければ低いほどいいわけではない

「LDLは悪玉だから、低ければ低いほどいい」と思われがちですが、そうとは言い切れません。LDLは本来、細胞膜やホルモン、ビタミンD、胆汁酸の材料になるコレステロールを、全身の細胞に届ける大切な運び役です。

茨城県の40〜79歳の約9万人を10年ほど追いかけた研究では、LDLが低い人ほど、脳の中の血管が破れる「脳出血」で亡くなる人が多いという結果でした。中国の大規模な研究でも、LDLが低いほど脳出血が増える関係がみられています。

つまり、LDLは低ければいいというものではありません。数値が高いか低いかだけでなく、HDLとのバランスや、超悪玉・酸化LDLが多くないかまで見ることが大切です。

問題になりやすいのは「超悪玉」と「酸化LDL」

LDLの中でも、粒が小さく密度の高いものを「small dense LDL(超悪玉コレステロール)」といいます。ふつうのLDLより小さいため血管の壁に入り込みやすく、しかも酸化されやすい性質があります。中性脂肪が多い状態や、血糖値が高い状態で増えやすいことがわかっていて、small dense LDLのコレステロールが多い人ほど、心臓の血管の病気になりやすいという研究のまとめもあります。

血管の壁に入り込んだLDLが酸化されると「酸化LDL」になり、これを片づけようと集まった白血球の仲間とともに、血管の壁にこぶのような固まりをつくるもとになります。コレステロールの量だけでなく、LDLが酸化されにくい体の状態をつくることも大切です。酸化した油を控えることや、抗酸化の栄養素をとることは、ここにもつながっています。

超悪玉コレステロールの目安になる、2つの計算式

超悪玉コレステロールは、ふつうの健康診断では測らないことがほとんどです。でも、健康診断でおなじみの数値を使って計算すると、傾向をつかむ手がかりになります。どこからを「高い」とみるかの目安は、研究によって違います。

① 中性脂肪 ÷ HDLコレステロール
空腹時に測った中性脂肪を、HDLコレステロールで割った値です。この値が大きいほど、小さなLDL(超悪玉)が多い傾向があります。血液中に中性脂肪が多いと、LDLやHDLの中身の一部が中性脂肪と入れ替わります。その中性脂肪があとで分解されると、LDLは中身が抜けてしぼみ、小さくなります。HDLは壊されやすくなり、減っていきます。そのため、中性脂肪が多く、HDLが少ない人ほど、小さなLDLが多くなりやすいのです。

超悪玉ができて、酸化LDLになるまで(イメージ)

① ふつうのLDL中身はコレステロールなど↓② 中身の一部が中性脂肪に入れ替わる↓③ 中性脂肪が分解されてしぼむ = 超悪玉↓④ 血管の壁に入り込み、酸化されて酸化LDLにコレステロール中性脂肪

② LDLコレステロール ÷ HDLコレステロール(LH比)
LDLとHDLのバランスを見る値です。LDLの数値が同じでも、HDLが少ないほど値は大きくなります。HDLは余ったコレステロールを回収する役なので、LDLだけでなく、HDLがどれくらいあるかも大切です。LH比が高い人ほど、心臓の血管のこぶの中身が脂質の多いものになっていたという研究があります。

LDLが同じでも、HDLが少ないと(イメージ)

HDLが少ないときLDLが届ける ↓HDLが回収 ↑血管の壁HDLが多いときLDLが届ける ↓HDLが回収 ↑血管の壁LDLHDLたまったコレステロール
届ける量が同じでも、回収する役のHDLが少ないと、余ったコレステロールがたまりやすくなります。LH比は、このバランスを見る値です。

分子栄養学で大切にする、オメガ3とオメガ6のバランス

細胞膜の中では、オメガ6のアラキドン酸と、オメガ3のEPAやDHAが、同じ場所を取り合っています。どちらかを多くとると、もう一方が入る場所は少なくなります。さらに、リノール酸やα-リノレン酸を体の中で変えていくときも、オメガ6とオメガ3は同じ酵素を取り合っています。

細胞膜の「席」の取り合い(イメージ)

オメガ6の多い油が中心の食事家で使う油を替え、魚もとる食事アラキドン酸(オメガ6)EPA・DHA(オメガ3)
席の数は決まっているため、片方を多くとると、もう片方の入る席が減ります。

現代の食事は、オメガ6が多くなりやすい食事です。オメガ6は肉や卵、大豆製品にも含まれていて、ふだんの食事で十分にとれています。そこに、サラダ油などオメガ6を多く含む油が加わると、細胞膜はアラキドン酸が多い状態に傾き、炎症を起こしやすい状態になると考えられています。

ふだんの食事に含まれるオメガ6

食品(量)リノール酸
(オメガ6)
アラキドン酸
(オメガ6)
鶏むね肉(皮つき)
120g
約1.0g約0.04g
豚もも肉(脂身つき)
120g
約1.3g約0.07g
卵
1個(50g)
約0.6g約0.09g
納豆
1パック(40g)
約2.0g—
サラダ油(調合油)
大さじ1(12g)
約4.1g—

※文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」脂肪酸成分表編の100gあたりの値から計算。

サラダ油大さじ1杯のリノール酸は、卵7個分ほどになります。また、アラキドン酸は、肉や卵からすでにできあがった形でとれています。毎日の料理に使う油を替えるだけで、オメガ6の量は大きく変わります。

日本人を対象にした研究から

九州大学が福岡県久山町で続けている「久山町研究」では、40歳以上の住民約3,100人を平均5年ほど追いかけ、血液中のEPAとアラキドン酸の比(EPA/AA比)と、心臓や血管の病気の発症との関係を調べました。その結果、EPAの割合が低い人ほど、心臓や血管の病気、とくに心臓の血管の病気を発症しやすい傾向がみられ、その傾向は、体の中の炎症の目安となる値が高い人で目立ちました。

理想の比率については、オメガ3:オメガ6=1:1〜1:4などの説がありますが、まだ研究の途中です。分子栄養学では、オメガ6のとりすぎを減らし、オメガ3をしっかりとることを大切にしています。

良い油と悪い油 ― 摂りたい油・控えたい油

ここまでの話をもとに、身近な油を分けると次のようになります。

分け方油の種類ポイント
積極的に
とりたい
亜麻仁油、えごま油、魚の油(オメガ3)不足しやすいオメガ3。加熱せずにとる
積極的に
とりたい
MCTオイル、ココナッツオイル(中鎖脂肪酸)すばやくエネルギーになる。詳しくは次の章で
料理に
使いやすい
オリーブオイル(オメガ9が中心)オメガ6が少なく、加熱にも使いやすい
料理に
使いやすい
ギー、バター(飽和脂肪酸が中心)、ラード(オメガ9と飽和脂肪酸が半々)オメガ6が少なく、熱に強い
控えめにサラダ油、大豆油、コーン油、ごま油、米油などリノール酸(オメガ6)が多い。オメガ6は肉・卵・大豆製品からもとれていて、とりすぎになりやすい
できるだけ
避けたい
トランス脂肪酸を含む油脂(一部のマーガリン、ショートニングなど)体に必要のない脂肪酸。詳しくは後の章で

身近な油の大さじ1杯(12g)に含まれる脂肪酸の量も比べてみましょう。

油(大さじ1)オメガ3
(α-リノレン酸)
オメガ6
(リノール酸)
オメガ9など
(一価不飽和)
亜麻仁油約6.8g約1.7g約1.9g
えごま油約7.0g約1.4g約2.0g
オリーブオイル0.1g未満約0.8g約8.9g
なたね油約0.9g約2.3g約7.2g
サラダ油(調合油)約0.8g約4.1g約4.9g
大豆油約0.7g約6.0g約2.7g
ごま油0.1g未満約4.9g約4.5g
ココナッツオイル0g約0.2g約0.8g

※文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」脂肪酸成分表編の100gあたりの値から計算。ココナッツオイルは成分表の「やし油」の値。ココナッツオイルの脂肪酸の約9割は飽和脂肪酸で、そのうち中鎖脂肪酸については次の章で紹介します。

亜麻仁油とえごま油は、大さじ1杯で約7gのオメガ3がとれる、ほかにない油です。一方、サラダ油や大豆油は、オメガ6がオメガ3の5〜8倍含まれています。

家で使う油を替える

外食やお惣菜の油は選べませんが、家で使う油は自分で選べます。炒め物や焼き物にはオリーブオイルやギー、ココナッツオイル、ドレッシングやあえ物には亜麻仁油やえごま油、というように、家で使う油を替えることが、オメガ3とオメガ6のバランスを整えるいちばんの近道です。

オメガ6は、肉や卵、大豆製品からもとれていて、現代の食事ではとりすぎになりやすい脂肪酸です。そのうえ家で使う油までオメガ6の多い油にすると、バランスはさらにオメガ6に傾きます。

加熱するなら、酸化しにくい油を

不飽和脂肪酸は、二重結合という部分が多いほど、熱や光、空気で酸化しやすくなります。オメガ3の多い亜麻仁油やえごま油は、加熱せずにとるのが基本です。開封後は冷蔵庫で保存し、早めに使い切りましょう。オリーブオイルやギー、ココナッツオイル、ラードは、比較的熱に強く、加熱料理に向いています。

ココナッツオイルとMCTオイル ― 中鎖脂肪酸という選択

ここまで紹介した油の多くは、炭素が16〜22個ほどつながった「長鎖脂肪酸」が中心です。それより鎖が短い、炭素8〜12個ほどの脂肪酸を「中鎖脂肪酸」といいます。代表的なのは、カプリル酸(炭素8個)、カプリン酸(炭素10個)、ラウリン酸(炭素12個)です。中鎖脂肪酸は、ふつうの油とは体の中での通り道がまったく違う、特徴のある脂質です。

ふつうの油と、体の中での通り道が違う

ふつうの油(長鎖脂肪酸)は、胆汁の助けを借りて吸収されたあと、リンパ管を通って全身をめぐり、少しずつ使われたり、体脂肪としてたくわえられたりします。

一方、中鎖脂肪酸は水になじみやすく、小腸から門脈という血管を通って、直接肝臓に運ばれます。肝臓ではすばやく分解され、エネルギーとして使われます。カプリル酸はほぼすべてがこの通り道を通るのに対し、ラウリン酸は約6割で、残りはふつうの油に近い通り道を通ります。

ふつうの油と中鎖脂肪酸の通り道

ふつうの油
(長鎖脂肪酸)

小腸で、胆汁と混ざって細かくなる
↓
消化酵素で分解される
↓
小腸の細胞の中で、中性脂肪に組み立て直される
↓
カイロミクロンという粒にのせられる
↓
リンパ管に入る
↓
首のつけ根の静脈で、血液に合流する
↓
全身をめぐりながら、筋肉や心臓などで分解されて取り込まれ、食後数時間かけてエネルギーに。使い切れない分は体脂肪にたくわえられ、空腹時や運動時に取り出されて使われる
↓
残りが肝臓へ

中鎖脂肪酸
(MCTオイル・ココナッツオイル)

小腸で分解・吸収される(胆汁の助けが少なくてすむ)
↓
門脈という血管に入る
↓
肝臓へ直接届く
↓
30分〜3時間ほどで、エネルギー・ケトン体に
ふつうの油は、組み立て直してリンパ管を回る遠回りの道。中鎖脂肪酸は、肝臓へまっすぐ向かう近道です。

すばやくケトン体になる

肝臓で分解された中鎖脂肪酸からは、ケトン体がつくられます。ケトン体は、ブドウ糖の代わりに脳や筋肉のエネルギーとして使える物質です。ふつうは、糖質をかなり控えたり、長い時間食べなかったりしないと、ケトン体はあまり増えません。中鎖脂肪酸は、ふだんの食事のままでもケトン体を増やせるのが特徴です。なかでもカプリル酸は、ケトン体を増やす力が強いことがわかっています。カプリル酸をとった研究では、とってから30分〜3時間ほどのあいだに、ケトン体が最も多くなりました。ふつうの油が、食べてから数時間かけて少しずつ使われるのと比べると、ずっと早く使われます。

ココナッツオイルとMCTオイルの違い

中鎖脂肪酸をとれる代表的な油が、ココナッツオイルとMCTオイルです。MCTは「中鎖脂肪酸でできた油」という意味で、MCTオイルは、ココナッツやパームの実の油から中鎖脂肪酸を取り出してつくられています。

ココナッツオイルMCTオイル
中鎖脂肪酸の割合約6割(多くはラウリン酸)ほぼすべて
カプリル酸・カプリン酸約14%ほぼすべて
状態25℃前後より低いと白く固まる冷やしても液体
香り・味ココナッツの甘い香りほとんど無味・無臭
加熱炒め物など加熱料理に使える火にかけない(できあがった料理にかけて使う)
向いている使い方炒め物や煮込み、スープなどの料理みそ汁やスープ、サラダ、あえ物に、できあがってからかける

※ココナッツオイルの割合は、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」の「やし油」の脂肪酸組成から計算。MCTオイルは製品によって組成が異なります。

ココナッツオイルを使った研究では、ケトン体の増え方は、カプリル酸だけをとった場合の4分の1ほどでした。ケトン体をしっかり増やしたいならMCTオイル、料理の油を替えるならココナッツオイルと、目的によって使い分けるのがおすすめです。

研究でわかっていること

体重・体脂肪:健康な大人を対象にした13の研究(749人)をまとめた報告では、ふつうの油を中鎖脂肪酸に置き換えると、体重や体脂肪がわずかに減り、血液中の脂質への悪い影響はみられませんでした。研究の数はまだ多くなく、今後の研究が待たれています。

脳のエネルギー:年齢とともにブドウ糖を使いにくくなった脳でも、ケトン体はエネルギーとして使われると考えられています。軽度認知障害やアルツハイマー型認知症の方を対象にした12の研究をまとめた報告では、中鎖脂肪酸によってケトン体が軽く増え、記憶などのテストの結果がよくなる可能性が示されました。研究の質にはまだ課題があり、こちらも研究が続けられています。

糖質を控えるとき・食事の間があくとき:すばやくエネルギーになる性質から、糖質を控えている方や、ファスティング中の方がエネルギー源として取り入れることもあります。

中鎖脂肪酸の取り入れ方

取り入れるときのコツ

  • 最初は少ない量から。急にたくさんとると、お腹がゆるくなったり、胃がむかむかしたりすることがあります。体の様子を見ながら、少しずつ増やしていきます。
  • 食事と一緒にとる。みそ汁やスープ、サラダ、あえ物にかけると、毎日続けやすくなります。
  • 火にかける料理はココナッツオイル、火にかけないものはMCTオイル。炒め物や焼き物にはココナッツオイルを使い、MCTオイルは、できあがった料理や、サラダ、あえ物にかけて使います(理由は下の※)。
  • いつもの油に足すより、置き換える。サラダ油などで炒めていたものをココナッツオイルにするなど、使っている油の一部を替えるイメージで取り入れます。

※MCTオイルを火にかけない理由:MCTオイルは、煙が出はじめる温度が150℃前後と低く、炒め物や揚げ物の温度(160〜200℃ほど)ではすぐに煙が出ます。この煙は油が熱で分解されてできたもので、目やのどを刺激する成分も含まれます。また、加熱すると泡立ちやすく、油があふれて危険です。なお、MCTオイルは発泡スチロールの容器を傷めることがあります。亜麻仁油やえごま油、ココナッツオイルでも容器が変わってしまうことがあるため、発泡スチロールの容器に入った食べ物には、これらの油をかけないようにしましょう。

気をつけたい「酸化した油」と「トランス脂肪酸」

酸化した油

不飽和脂肪酸は、熱や光、空気にふれると少しずつ酸化していきます。くり返し使った揚げ油や、時間のたった揚げ物・スナック菓子、開封してから長くたった油は、酸化が進みやすくなります。

油が酸化すると、まず「過酸化脂質」ができ、それがさらに分解されて、アルデヒドなどの物質に変わります。過酸化脂質は、細胞の膜やたんぱく質、遺伝子(DNA)を傷つけることがわかっています。しかも、細胞膜の脂肪酸の酸化は、となりの脂肪酸へと連鎖して広がっていきます。酸化した油をたくさんとると、体はその連鎖を食い止めるために、抗酸化の栄養素を多く使うことになります。国も油の酸化を問題にしていて、たとえば即席めんの油には、酸化の進み具合についての基準が決められています。

油は使い切れる大きさのものを選び、ふたをしっかり閉めて、光の当たらない涼しい場所で保存しましょう。酸化から細胞を守る栄養素については、ビタミンEの話でまとめています。

トランス脂肪酸

トランス脂肪酸は、液体の植物油を固めるための「部分水素添加」という加工や、油を精製するときの高温処理でできる脂肪酸です。部分水素添加した油脂を使ったマーガリンやファットスプレッド、ショートニング、それらを使った菓子パンやケーキ、ドーナツ、揚げ物、スナック菓子などに含まれていることがあります。

トランス脂肪酸は食品からとる必要がなく、とりすぎると心臓の病気のリスクが高まることが示されています。菓子パンや洋菓子、揚げ物、スナック菓子をよく食べる方は、とる量が増えやすくなります。日本では、トランス脂肪酸の量の表示は義務になっていません。原材料表示に「マーガリン」「ファットスプレッド」「ショートニング」とある食品は、トランス脂肪酸を含んでいる可能性があります。

脂質が足りないとき・とりすぎたとき

足りないとき

疲れやすい Energy

体温を保つ熱や、体を動かす力が足りなくなり、疲れやすくなります。

脂溶性ビタミンの不足 Vitamins

ビタミンA・D・E・Kが吸収されにくくなります。

体の材料が不足 Materials

細胞膜やホルモンをつくる材料が足りなくなります。

発育への影響 Growth

成長期は、体をつくる材料が足りなくなり、発育の妨げになることがあります。

とりすぎたとき

エネルギーのとりすぎ Calories

使い切れなかったエネルギーは、中性脂肪として体にたくわえられます。

種類のかたより Balance

オメガ6の多い油や酸化した油、トランス脂肪酸が多いと、炎症を起こしやすい方向に傾きます。

どれくらいの量をとればいいのか

1日にとりたい脂質の量は、全員に同じ数字があてはまるものではありません。たとえば、糖質を控えている方は、その分のエネルギーを脂質からとる必要があるため、脂質を多めにとることが欠かせません。体が大きい方や、よく体を動かす方も、使うエネルギーが多い分、必要な量は増えます。反対に、脂っこい食事のあとに胃もたれしたり、お腹の調子をくずしたりしやすい方は、脂質を消化する力が落ちていることがあります。その場合は、量を増やす前に、消化の負担が少ない中鎖脂肪酸を選ぶなど、とり方の工夫が先になります。

健康相談NOZOMIでは、生まれ持った体質を「胚葉タイプ」という考え方でも見ています。たとえば、細身で栄養が抜けやすい「外胚葉優位タイプ」の方は、繊細な神経を守るためにも、青魚や卵黄、アボカド、オリーブオイル、ナッツなどの良質な脂質が欠かせません。「油は太る」と避けがちな方ほど、意識してとりたいタイプです。自分のタイプは、7問でわかる胚葉タイプ診断で確かめられます。

EPA・DHAを多く含む魚

EPAとDHAは、魚介類にほぼ限られる脂肪酸です。亜麻仁油などのα-リノレン酸からも体の中でつくられますが、その量はわずかです。EPAとDHAは、魚から直接とるのが確実です。

魚100gあたり
(EPA+DHA)
食べる量の目安
さんま3.7g1尾(可食部約100g)で約3.7g
ぶり2.6g1切れ(80g)で約2.1g
さば水煮缶2.2g半量(約90g)で約2.0g
いわし1.7g2尾(可食部約100g)で約1.7g
さば1.7g1切れ(80g)で約1.3g
あじ0.9g1尾(可食部約80g)で約0.7g
鮭0.7g1切れ(80g)で約0.6g

※文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」脂肪酸成分表編の、生の魚(さばは「まさば」、いわしは「まいわし」、あじは「まあじ」、鮭は「しろさけ」)と、さばの水煮缶の値から計算。

さんまやいわし、さばなどの青魚や、手軽に使える缶詰が頼りになります。同じ魚でも、脂ののった時期や部位によって量は変わります。

妊娠中の方は、一部の魚の量に気をつける

魚は、妊娠中にも大切な栄養源です。ただ、一部の魚には水銀が多く含まれるものがあり、厚生労働省は、妊娠中や妊娠の可能性がある方に向けて、食べる量の目安を示しています。たとえば、キンメダイ、メカジキ、クロマグロ、メバチ(メバチマグロ)などは1回約80gとして週に1回まで、キダイ、マカジキ、ミナミマグロなどは週に2回までが目安です。

キハダ、ビンナガ、メジマグロ、ツナ缶は、ふだんどおり食べて差し支えないとされています。さんま、いわし、さばなどの青魚も対象には入っていません。授乳中の方やお子さんも、この注意事項の対象ではありません。魚を避けるためのものではなく、水銀をとりすぎないための目安です。

毎日のとり方のコツ

一度に全部を変えようとするより、毎日の食事の中で、できるところから油の種類を替えていくと続けやすくなります。

場面取り入れ方
魚焼き魚や刺身のほか、さば・いわしの水煮缶をサラダやみそ汁の具に
亜麻仁油・えごま油少量を、納豆や冷ややっこ、サラダ、あえ物にかける
炒め物・焼き物サラダ油の代わりに、オリーブオイルやギー、ココナッツオイルを使う
MCTオイル少ない量から、できあがったみそ汁やスープ、サラダにかける
ビタミンEと一緒に酸化しやすいオメガ3を守るため、ナッツやアボカド、かぼちゃなどを組み合わせる

揚げ物やお惣菜、スナック菓子は、どんな油を使っているかわからないことが多い食べ物です。家で料理するときに油を選べる分、外で食べるものとのバランスを取りやすくなります。

サプリメントで補う

魚をあまり食べない方や、魚が苦手な方にとって、EPA・DHAのサプリメントは心強い選択肢です。食事を土台にしながら、足りない分をサプリメントで補うこともできます。

EPA・DHAのサプリメントは、酸化を防ぐ工夫がされているか、EPAとDHAがどれくらい含まれているかで、品質に差が出ます。

どの種類を、どれくらいの量でとるかは、食事内容や体の状態によって変わります。自己判断で量を増やすより、今の状態を確認したうえで決めることをおすすめします。

サプリメントに迷ったら

健康相談NOZOMIでは、品質と安全性に配慮したサプリメントを取り扱っています。「オメガ3が足りていないかも」と感じたときは、今の食事や体調をお聞かせください。その方に合った種類や量、組み合わせまで、ご提案します。

よくある質問

油をとると太りますか?

脂質は1gあたり約9kcalと、エネルギーの多い栄養素です。使うエネルギーより多くとれば、余った分は体脂肪としてたくわえられるため、量も大切です。どれくらいの量がよいかは、糖質をどれくらいとっているか、体の大きさや運動量によって変わります。また、中鎖脂肪酸のように、体脂肪としてたくわえられにくく、すばやくエネルギーになる油もあります。

体にいい油・体に悪い油は、どれですか?

体にいい油として積極的にとりたいのは、亜麻仁油やえごま油、魚の油などのオメガ3と、MCTオイルやココナッツオイルなどの中鎖脂肪酸です。加熱料理には、オリーブオイルやギー、ココナッツオイルなど、オメガ6が少なく熱に強い油が使いやすいです。一方、サラダ油や大豆油、コーン油など、リノール酸(オメガ6)の多い油は、とりすぎになりやすいので、控えめにしましょう。トランス脂肪酸を含む油脂や、酸化した油は、できるだけ避けたい油です。

サラダ油は使わないほうがいいですか?

サラダ油に多いリノール酸(オメガ6)は、肉や卵、大豆製品からもとれていて、現代の食事ではとりすぎになりやすい脂肪酸です。サラダ油大さじ1杯のリノール酸は、卵7個分ほどにもなります。炒め物にはオリーブオイルやギー、ココナッツオイル、生で使うなら亜麻仁油やえごま油など、家で使う油を替えることをおすすめします。

コレステロールは体に悪いものですか?

コレステロールは、細胞膜やホルモン、ビタミンD、胆汁酸の材料になる、体に欠かせない脂質です。その多くは体の中、主に肝臓でつくられています。いわゆる悪玉のLDLも、コレステロールを全身に届ける大切な運び役です。問題になりやすいのは、小さくて血管の壁に入り込みやすい「超悪玉」や、酸化したLDLです。

亜麻仁油やえごま油は、加熱してもいいですか?

亜麻仁油やえごま油に多いオメガ3は、熱や光、空気で酸化しやすい脂肪酸です。加熱せずに、納豆や冷ややっこ、サラダ、あえ物にかけてとりましょう。開封後は冷蔵庫で保存し、早めに使い切るのがおすすめです。

MCTオイルは、どうやってとり始めればいいですか?

最初は少ない量から始めてください。急にたくさんとると、お腹がゆるくなったり、胃がむかむかしたりすることがあります。体の様子を見ながら、少しずつ増やしていきましょう。火にかけず、できあがった料理やサラダにかけて使います。

まとめ|量と種類の両方から、油を見直す

この記事のポイント

  • 脂質は、エネルギー源になるだけでなく、細胞膜やホルモンの材料になり、脂溶性ビタミンの吸収も助けます。
  • オメガ6とオメガ3は体でつくれない必須脂肪酸で、体にどれくらいあるかは、食べた油の種類に大きく左右されます。
  • 細胞膜ではオメガ6とオメガ3が場所を取り合っていて、そのバランスが炎症の起こりやすさに関わります。
  • とりたい脂質の量は、糖質のとり方や体の大きさ、運動量、脂質を消化する力によって変わります。量とあわせて、どんな種類の油をとるかが大切です。
  • オメガ6は肉・卵・大豆製品からもとれていてとりすぎになりやすいため、家で使う油を替えることが、バランスを整える近道です。
  • LDLはコレステロールの運び役。問題になりやすいのは、小さなLDL(超悪玉)や酸化したLDLです。LDLの数値だけでなく、「中性脂肪÷HDL」「LDL÷HDL」の比も手がかりになります。
  • ココナッツオイルやMCTオイルの中鎖脂肪酸は、肝臓に直接運ばれ、すばやくエネルギーやケトン体になります。
  • 酸化した油やトランス脂肪酸に気をつけ、EPA・DHAは魚から、足りない分はサプリメントで補うこともできます。

まずは、家にある油を1本見直すところから始めてみてください。

参考にした情報

※本記事は健康・栄養に関する一般的な情報提供を目的としたもので、効果を保証するものではなく、医療行為や診断に代わるものではありません。検査では原因が見つかりにくい、なんとなく続く不調は、一般的な医療では「様子を見ましょう」と言われがちで、なかなか解決の糸口が見つからないことも少なくありません。栄養と生活習慣の面から、体の土台を整えることで、できることがあります。症状が強い場合や急に悪化した場合、また服薬中の方は、安全のため、分子栄養学(オーソモレキュラー)に理解のある医療機関にもご相談のうえ、無理のない範囲で取り組んでください。
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油を控えているのに疲れやすい、なんとなく不調が続くといったとき、どんな油をどれくらいとるとよいか、足りていない栄養は何かは、人によって違います。個別の状態を分析してご提案します。初回カウンセリングは無料・全国どこからでもオンラインで対応します。

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